日本政策金融公庫とはどんな会社?銀行との違いをわかりやすく解説– category –

中小企業や個人事業主が融資を求める場合、まず検討してほしいのは日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は公的な金融機関のため、民間金融機関には無いさまざまなメリットがあります。

この記事で説明するのは、日本政策金融公庫がどのような組織で、どういった対象に融資をおこなっているかです。また、日本政策金融公庫を使うメリットと、日本政策金融公庫を利用する際の注意点についても解説します。

日本政策金融公庫は政策金融機関の中で最大のもの

日本政策金融公庫は、日本に5つある政策金融公庫(日本政策金融公庫株式会社国際協力銀行沖縄振興開発金融公庫株式会社日本政策投資銀行株式会社商工組合中央金庫)の中でも最大のものです。

令和4年3月末時点で、日本政策金融公庫の融資状況を確認すると貸付残高が28.8兆円もあり、7,436名が働いていて、海外含む154箇所の拠点を持っています。

日本政策金融公庫の規模が大きいのは、もともと2008年に「国民生活金融公庫」「農林漁業金融公庫」「中小企業金融公庫」「国際協力銀行」という4つの政策金融公庫がまとまって生まれたものだからです。なお国際協力銀行に関しては、2012年に日本政策金融公庫から再分離して、独自に活動しています。

日本政策金融公庫は、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行(国際金融等業務)が統合して、平成20年10月に発足しましたが、平成24年4月に国際協力銀行が分離しています。

引用元:https://www.jfc.go.jp/n/company/af/pdf/jfc12j.pdf

日本政策金融公庫と銀行の違い

日本政策金融公庫民間の銀行
事業の目的日本経済の発展と安定化自社の利益
金利やや安い普通
返済期間長い(設備資金で20年など)普通(設備資金で10年程度)
着金までの時間普通(2週間~1カ月程度)即日から数ヶ月まで多様
創業時の審査通過率高め低い
小規模事業者の審査通過率高め低め
担保・保証人無担保・無保証人の融資制度あり原則として担保・保証人が必要
無担保・無保証人のローンは審査が厳しい
自己資金無担保・無保証人なら最低10%
担保・保証人ありなら規定なし
銀行ごとに異なる
預金取り扱いなし取り扱いあり

日本政策金融公庫は、国が100%出資している公的な金融機関(特殊会社)です。そのため、民間金融機関と違って、自社の利益の追求を目的にしていません。

日本政策金融公庫は、新型コロナのような疫病の流行や自然災害、世界的な不況などが起こった場合に「セーフティネット」として融資をおこなってくれます。

あらかじめ予想される危険や損害の発生に備えて、被害の回避や最小限化を図る目的で準備される制度やしくみ。

引用元:セーフティネット(safety net)とは|知るぽると

民間金融機関の場合は逆に、なんらかの要因で不況になると、債務の一括返済を求めたりして企業倒産の原因を作るケースが珍しくありません。

民間の銀行は、リスクの大きい創業者や小規模事業者への融資に消極的です。しかし日本政策金融公庫は、将来的な日本経済の発展のために、創業者や小規模事業者にも積極的に融資してくれます。

また、日本政策金融公庫は、自己資金が少なくても利用しやすいというのも特徴です。民間金融機関の場合、一般的には融資を受けるのに50%程度の自己資金は必要です。つまり、銀行で融資を受けても、使える資金は倍にしかなりません。

対して日本政策金融公庫の場合、融資条件となっている自己資金は10%以上です。とはいえ、実際は10%の自己資金で日本政策金融公庫の審査をクリアできることはめったになく、20~30%程度の自己資金がないと融資は受けられません。しかし20~30%だとしても、融資後は使える資金が3~5倍程度にまで増加します。

日本政策金融公庫の事業内容は大きく3つに分けられる

日本政策金融公庫は、合併元の国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫がやっていた事業を引き継いでいます。

  • 国民生活事業
  • 中小企業事業
  • 農林水産事業

日本政策金融公庫は、上記のように3つに事業に分かれていますが、どれか1つしか使えないわけではありません。たとえば、設備投資のための融資を中小企業事業に申し込んで、賞与資金のために国民生活事業に融資を申し込む、といったこともできます。

では、日本政策金融公庫の3つの事業について、詳しく見ていきましょう。

国民生活事業

国民生活事業では、「一般家庭」「個人事業主」や「フリーランス」「小規模企業」向けの融資をしています。おもな融資先は、小口資金や新規開業資金などで、融資残高の平均は約1,000万円程度です。国民生活事業では、短期の運転資金用の融資も取り扱っています。

国民生活事業では、基本的に事業用の融資をおこなっているのですが、子供が高校や大学に通っている場合は、在学費用のための教育一般貸付(国の教育ローン)を利用可能です。

また、軍人恩給や援護年金を支給されている場合は、恩給・共済年金担保融資を受けられます。それ以外に取り扱っているのは、小規模事業者や個人事業主向けの事業融資と、生活衛生関係営業をしている人向けの融資制度です。

国民生活事業でのおもな融資制度

国民生活事業でおこなわれているのは、次のような条件に当てはまる人向けの融資です。

  • 新たに事業を始める人(事業開始後7年以内)
  • 新事業活動をする人(経営革新計画の承認を受けた人など)
  • 事業拡大、生産性向上に取り組む人
  • 事業承継やM&Aをする人
  • 保育や介護などの事業をする人
  • 海外展開をしようとする人
  • 環境対策に役立つ事業をしている人
  • 一時的に業況が悪化している人(セーフティネット)
  • 事業を再建する人
  • 商工会・商工会議所の指導を受けている人(マル経)
  • 財務体質の強化を目指す人(資本性ローン制度)
  • 災害により被害を受けた人
  • 新型コロナの影響を受けた人
  • 振興計画認定組合の組合員
  • 生活衛生同業組合等の指導を受けている人(衛経)

よく使われているのは、「新規事業者」「事業承継者」向けの融資と、「災害・疫病・不況」が起こった時の融資です。なお、上記はおおまかなカテゴリーを示しているだけで、個々の融資プランは、さらに細かく分けられています。

たとえば、一番上の「新たに事業を始める人向けの融資制度」でも、「新規事業をする人」「女性・若者・シニアで新規事業をする人」「廃業歴があって新規事業をする人」「中小会計を適用して新規事業をする人」では、適用される融資制度が同じではありません。申込者によって、金利などの細かい条件が変化します。

国民生活事業の融資プランをすべて記載していくと煩雑になるため、詳細は日本政策金融公庫の担当者に確認してみてください。

通常の融資制度と組み合わせることができる制度がある

上の項目にあった融資制度と、組み合わせて使える次のような融資制度も存在します。

  • 新創業融資制度
  • 担保を不要とする融資
  • 経営者保証免除特例制度
  • 創業支援貸付利率特例制度
  • 付加価値額の向上が見込まれる設備投資をする人向け
  • 福島県の特定地域で雇用の促進が見込まれる設備投資を行う人向け

新創業融資制度は、新規事業者が使えるプランです。この制度を使うと、「無担保・無保証人」で融資を受けられます。ただし併用すると、自己資金が10%以上必要、融資限度額が下がる、金利が上がる、といった変化があるため注意が必要です。

「担保を不要とする融資」を併用すると、担保なしで融資を受けられるようになります。ただし法人の場合は、代表者が保証人にならなくてはいけません。個人事業主の場合は、保証人も不要です。

新創業融資制度との違いは、利用者の事業年数。新創業融資制度は、税務申告が1回以内の事業者しか使えず、担保を不要とする融資は税務申告が2回以上の事業者しか使えません。

経営者保証免除特例制度を併用すると、経営者を保証人にしなくてもよくなります。また、創業支援貸付利率特例制度を併用すると、元の制度の利率が0.65%(条件により0.9%)低下。ただし使えるのは、税務申告が1回以内の事業者だけです。

付加価値の向上が見込まれる設備投資用の融資を併用すると、元の制度の利率が2年の間0.5%減ります。ただし、利用するには事業に高い将来性がなければいけません。

福島県の特定地域の雇用促進を行う設備投資用の融資を併用すると、元の制度の利率がずっと0.5%減少します。ただし、福島復興再生特別措置法が定めている市町村で、地域の再興につながる設備投資をする場合にしか利用できません。

中小企業事業

中小企業事業では、中小企業向けの長期事業資金を融資しています。日本では、全企業の99.7%程度を中小企業と小規模事業者が占めているため、中小企業事業の役割は重大です。中小企業の倒産を防止したり、規模を拡大させたり、新規事業を促進したり、といった働きをしています。

中小企業金融公庫事業の融資残高の平均は1.3億円程度です。これは国民生活事業よりもかなり多い金額となっています。融資額は大きいものの、国民生活事業と違って短期の運転資金用の融資は取り扱っていません。そのため、短期資金が必要な場合は、ほかの融資を探さなくてはいけないでしょう。

また、中小企業事業では、信用保証制度の補完もおこなっています。通常の信用保証制度は、小規模事業者が信用保証協会に保証の申込みをし、保証を得た金融機関が小規模事業者に融資するという流れです【小規模事業者→信用保証協会→金融機関→小規模事業者】。もしも小規模事業者が債務を返済できない場合は、信用保証協会が金融機関に代位弁済をおこないます。

中小企業事業がやっている「信用補完制度」の場合、信用保証協会が日本政策金融公庫に保証料を支払って、さらに融資の保証をしてもらいます【小規模事業者→信用保証協会→日本政策金融公庫→信用保証協会→金融機関→小規模事業者】。日本政策金融公庫の保証がある分、信用保証協会での審査をクリアしやすく、ひいては金融機関からの融資を受けやすくなる、というのが信用補完制度を使う利点です。

中小企業事業でのおもな融資制度

中小企業事業では、次のような対象に融資をおこなっています。

  • 新規事業者(原則として創業から7年以内)
  • 革新的な事業で急成長を目指している企業
  • 新事業活動に取り組む企業(経営革新計画の承認などを受けている)
  • 中小企業会計を適用している企業
  • 事業拡大・生産性向上・雇用創出・雇用条件改善などを図る企業
  • 海外展開を図る企業
  • 事業承継やM&Aをする企業
  • 環境対策に力を入れている企業
  • 防災に関する施設などを導入する企業
  • 一時的に業況が悪化している企業
  • 事業の再建を図る企業
  • 災害などの被害を受けた企業
  • 新型コロナで被害を負った企業
  • 財務体質の強化を目指す企業
  • シンジケートローンを希望する企業

こちらも、それぞれのカテゴリー内でさらに細かく融資制度が分かれています。利用の際は、中小企業事業の担当者に相談してみてください。また、中小企業事業では、上記の融資に組み合わせられる「設備資金貸付利率特例制度」「設備資金貸付利率特例制度(東日本版)」「公庫融資借換特例制度」という3つの融資制度があります。

新事業などで設備投資をする場合は、設備資金貸付利率特例制度が利用可能です。設備資金貸付利率特例制度を使うと、2年の間だけ返済利率が0.5%減少します。

東日本大震災の復興のために、福島復興再生特別措置法で定められた地域で活動する場合は、設備資金貸付利率特例制度(東日本版)を利用可能です。こちを併用すると、全期間にわたって利率が0.5%減ります。

東日本大震災、新型コロナ、台風といった外的要因で被害を受けた企業は、公庫融資借換特例制度を利用可能です。公庫融資借換特例制度を使うと、残っている債務の借り換えができます。

農林水産事業

農林水産事業は、農林漁業や国産農林水産物を取り扱う加工流通分野の長期事業資金を融資する部門です。日本では、農業・林業・漁業のすべてで、働き手の高齢化と従事者の減少が大きな問題になっています。農林水産事業がおこなっているのは、融資を始めとしたさまざまな施策で、農林漁業の維持と発展に寄与することです。

「農業」に対しては、新規参入者の創業資金を融資したり、農家が法人化する設備資金や運転資金を融資したり、農作物を輸出しようとする農家に資金を融資したりしています。資金不足で新規参入できない人も多いため、日本政策金融公庫は日本の農業になくてはならない存在です。

「林業」は、事業を始めてから投資した資金を回収するまでに、長い時間がかかってしまいます。そのため新規参入は困難な業種です。しかし、日本政策金融公庫が長期の融資をおこなうことで、林業をする事業者が増加し、既存の事業者も資金繰りの負担が減って仕事を続けやすくなっています。

日本の「漁業」では、漁船などの老朽化が進んでいるため、経営が安定していません。その状況を改善するためには、新船建造や設備の更新が必要なのですが、そのための資金を日本政策金融公庫が融資しています。

また、漁業構造改革推進集中プロジェクトを立ち上げて、漁獲から製品加工、出荷までを効率化して漁業事業者の収益増加にも努めています。

農林水産事業でのおもな融資制度

農林水産事業では、次のような条件を満たした事業者に融資をおこなっています。

  • 新型コロナで被害を受けた農林漁業者
  • 経営を維持・再建する農林漁業者
  • 経営改善を試みる農業者
  • 施設を拡充する農業者
  • 新規事業を立ち上げる農業者
  • 造林や林道を整備する林業者
  • 林地などを取得したり生産方式を合理化する林業者
  • 加工や流通施設を整備する林業者
  • 漁船を建造、または取得する漁業者
  • 施設を拡充する漁業者
  • 長期の運転資金が必要な漁業者
  • 農林水産物の加工や流通をおこなう食品産業者
  • 中山間地域の農林水産物や資源を活用する食品産業者

農林水産事業も、対象者ごとにさらに細かい融資制度が用意されています。また、農林水産事業への融資制度は、返済期間が長いのが特徴です。

たとえば、農業なら返済期間が25年で10年の据置期間を取れるスーパーL資金がありますし、林業なら返済期間が55年で35年もの据置期間を取れる林業基盤整備資金があります。

日本政策金融公庫を使う7つのメリット

日本政策金融公庫を利用することには、次のようなメリットが存在します。

  1. 無担保・無保証人で使える融資制度がある
  2. 創業前や実績が少ない状態でも融資を受けられる
  3. 民間金融機関と比べて返済期間を長く取れる
  4. 民間金融機関よりも金利が安いことが多い
  5. 日本政策金融公庫の融資利用がその後の信用につながる
  6. 事業についてのアドバイスを受けられる
  7. 緊急時に融資を受けた場合は借り換えもできる

では、日本政策金融公庫の長所について、詳しく見ていきましょう。

1.無担保・無保証人で使える融資制度がある

民間金融機関では、無担保・無保証人で融資を受けるのは困難です。無担保で利用できるフリーローンなども存在しますが、借入可能上限額は低く、金利も高いため、創業資金や運転資金として利用するにはデメリットが少なくありません。

日本政策金融公庫の場合、無担保・無保証人で使える融資制度が用意されています。たとえば新しく事業を始める場合なら、「新創業融資制度」を使えば無担保・無保証人で資金調達が可能です。

日本政策金融公庫 国民生活事業では、創業・スタートアップを支援するため、無担保・無保証人でご利用いただける「新創業融資制度」をお取り扱いしております。

引用元:新創業融資制度|日本政策金融公庫

そのほかにも担保なしで使える融資プランや、保証人なしで使える融資プランが用意されているため、担保や保証人を用意するのが難しい場合に、日本政策金融公庫は非常に役立ちます。さらに無担保・無保証人でも、日本政策金融公庫の融資は、融資上限額が大きく、金利は高くありません。

2.創業前や実績が少ない状態でも融資を受けられる

創業前に銀行に融資を申し込んでも、なかなか融資審査をクリアできません。また、すでに起業している場合でも、業歴が短いと、審査に落ちる可能性が高くなります。特に信用保証協会を通さないプロパー融資は、銀行側のリスクが高いため、実績がないとめったに利用できません。

日本政策金融公庫は、営利目的ではなく、日本経済の安定と発展を目標に活動しています。そのため、実績がない状態でも、融資を受けられる可能性は低くありません。信用が低くて銀行の融資審査が不安な人は、まず日本政策金融公庫に相談してみてください。

また、一度会社を倒産させてしまった経験がある人が、銀行から融資を受けるのは困難です。しかし日本政策金融公庫なら、廃業歴がある人の再チャレンジ用の融資プランが用意してあります。そのため、再起を図りたい人にもおすすめです。

3.民間金融機関と比べて返済期間を長く取れる

民間金融機関の場合、設備投資用の融資の返済期間は最長10年程度です。しかし日本政策金融公庫の場合、設備資金の返済期間は20年間取れるものが多くなっています。詳しい返済期間は、融資制度ごとに異なりますが、基本的には銀行融資の返済期間よりも長い期間をかけて返済可能です。

また、農林水産業を営んでいる場合、さらに返済期間が長い融資を受けられることもあります。返済期間が55年といった融資まであるので、農林漁業者なら日本政策金融公庫を使わない手はありません。

4.民間金融機関よりも金利が安いことが多い

日本政策金融公庫は自社の利益を目的としていないため、金利を高くして収益を多くしようとはしていません。そのため、どの融資プランを選んでも、民間金融機関よりも金利が安くですむのが普通です。

返済期間が長いと、それだけ金利の支払い総額も大きくなるため、ちょっとした金利の差が大きな支払い金額の違いとなります。金利の支払いというのは、設備投資などと違って、それ自体は付加価値を産まない消費であるため、なるべく金利の安い日本政策金融公庫で融資を受けるのは賢明な手段です。

5.日本政策金融公庫の融資利用がその後の信用につながる

日本政策金融公庫は、創業者や廃業歴がある人でも融資を受けやすいのですが、いい加減な審査をするというわけではありません。そのため、日本政策金融公庫の融資を受けられた場合、そのこと自体が自社(自分)の信用を高めるのに役立ちます。

日本政策金融公庫の債務を無事に返し終えることができれば、民間金融機関での融資を受けられる可能性も高まるでしょう。

なお、一度日本政策金融公庫から融資を受けられると、日本政策金融公庫資金からの信用も高まります。もしも日本政策金融公庫からの融資の返済が終わっていない場合でも、資金が必要になった場合は、追加で融資の申込みをすることが可能です。

6.事業についてのアドバイスを受けられる

企業や個人事業主に融資するのが日本政策金融公庫の大きな役目ですが、それ以外にもさまざまなサポートをおこなっています。

たとえば中小企業事業では、「往診型のホームドクター」として、中小企業経営に関するアドバイスをおこなったり、問題解決に最適な外部の専門家を紹介したりしています。

さらに、販路拡大や仕入れ、外注先を探す場合にも、日本政策金融公庫は有効です。マッチングサービスで、自社に合った企業を紹介してくれます。

どの事業部でも、相談に乗ってくれるため、融資の申込みをして担当者と話をするだけでも、経営に役立つアドバイスを得られるでしょう。

7.緊急時に融資を受けた場合は借り換えもできる

日本政策金融公庫ではセーフティネットとして、東日本大震災、新型コロナ、令和元年の台風19号などによって被害を受けた場合に、低金利で融資を受けられます。

しかし外的要因で経営状態が悪化した場合、そう簡単には経営を立て直せないかもしれません。そういった場合でも、日本政策金融公庫なら「公庫融資借換特例制度」で借り換えが可能です。あらたに契約した融資の一部でもとの債務を返済し、返済期間をリセットできます。

ただし、借り換え時にも審査を受けなければいけません。経営が立て直せそうもないほどひどくなっている場合は、審査落ちして新しい融資を受けられないこともありえます。

日本政策金融公庫を使うにあたっての3つの注意点

日本政策金融公庫を使う場合、次のような点に注意してください。

  1. 着金までには一定の時間が必要
  2. 繰り上げ返済ができないタイプの融資制度もある
  3. 審査落ちすると半年経つまで再申し込みができない

では、日本政策金融公庫の注意点について、詳しく見ていきましょう。

1.着金までには一定の時間が必要

どの事業部のどの融資プランを選ぶかにもよりますが、日本政策金融公庫の融資では、着金までに一定の時間がかかります。だいたい申込みから融資実行までには、1カ月程度はかかると考えておかなければいけません。

日本政策金融公庫以外なら、もっと素早く資金調達ができる方法も存在します。たとえば「ファクタリング」なら、最短数時間で着金まで可能です。そのため、すぐに資金が必要な場合は、日本政策金融公庫以外の方法を模索した方が良い結果が得られる可能性があります。

2.繰り上げ返済ができないタイプの融資制度もある

融資を受けた後に資金に余裕ができた場合、繰り上げ返済して金利支払い分を減らすという方法があります。しかし日本政策金融公庫の場合、繰り上げ返済が禁止されている融資プランも存在するため注意が必要です。

最初に決めたとおりに最後まで返済していかないといけないため、よけいない金利支払いができてしまう可能性があります。原則として中小企業事業からの融資は、繰り上げ返済できません。

また、繰り上げ返済ができる国民生活事業の融資でも、一括払いにする際には「期限前弁済手数料制度」に定められた手数料を支払う必要があります。

【償還額の約定期限までの平均残高×公庫が定める金利の差×約定期限までの残期間】が手数料となるため、繰り上げ返済をしても金利負担がかかってしまいます。

3.審査落ちすると半年経つまで再申し込みができない

日本政策金融公庫は、幅広い対象に融資をおこなっていますが、審査に申し込んだ人の半数程度は審査落ちしています。そして審査落ちしてしまうと、半年間は再申し込みができません。

そのため、日本政策金融公庫に融資申込みをする場合は、しっかりと事業計画を立てて、審査落ちしないように準備する必要があります。