一般的なファクタリングは請求書を利用して対応することになっていますが、近年登場している方法として注文書ファクタリングが存在しています。注文書を利用することによって、ファクタリングと同じ状況を作り出せるようにしているのです。
注文書ファクタリングは一部の業者では一般的な方法に比べて利用しやすくなっている他、簡単に資金を調達できる可能性も高くなっていることから、重宝されている傾向があります。しかし、対応している業者があまり多くないこともあり、しっかり対応している業者について確認しておかなければなりません。
この記事では、注文書ファクタリングに付いて説明する他、メリットやデメリットの解説、対応している業者についての情報について紹介します。
注文書ファクタリングとは
注文書ファクタリングとは、注文書を売却することによって資金調達する方法です。
一般的にはファクタリングで請求書を利用することになりますが、請求書が発行されるまでには時間がかかります。早い段階で提供されるようにしている注文書を利用することによって、ファクタリングのスピードを早くすることが可能になり、素早い資金調達ができるようになっていきます。
注文書が発行されたタイミングで利用できることによって、業種によっては資金不足が起きている状況をすぐに解決できるようになっている他、場合によっては注文書ファクタリングを活用することで経営を続けられるケースもあるなど、多方面での活躍が期待できる方法となっています。
ただ、ファクタリング業者すべてが対応しているものではなく、一部の業者のみが対応している形になります。すべての業者が注文書ファクタリングを利用できる状況としているわけではなく、一部の業者だけが注文書を売却できる形にしているのです。すべての業者が対応しているという考えは持たないほうがいいでしょう。
なお、注文書ファクタリングを利用する際は手数料の高さに気をつけてください。一般的なファクタリングに比べて手数料を上乗せしている業者がいくつかありますので、思っていた以上に取られてしまう金額が多くなってしまうケースも存在します。
注文書ファクタリングサービス6選
注文書ファクタリングを提供している業者はあまり多くありませんが、実際に提供している業者がいくつか存在しています。サービスを提供している業者をしっかり確認しておき、利用する際にすぐ依頼できるようにしておきましょう。
実際に注文書ファクタリングを提供している業者は以下のサービスが存在します。
- ビートレーディング
- GMO BtoB早払い
- トップ・マネジメント
- BESTPAY
- 日税ファクタリングサービス
- けんせつくん
6つの業者は対応していることで知られており、注文書ファクタリングを実施したいと考えている時に選択しやすくなっています。知名度の高い業者も存在していますが、中には知名度があまり高くない業者もありますので、しっかり情報を確認しておくことをおすすめします。
ここからは、注文書ファクタリングを利用できる業者を詳しく説明します。
ビートレーディング
審査通過率 | 98% |
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手数料 | 2社間ファクタリング:4%~12% 3社間ファクタリング:2%~9% |
入金速度 | 最短2時間 |
買取可能額 | 下限も上限もなし |
契約方式 | 2社間ファクタリング・3社間ファクタリング |
対象事業者 | 個人事業主・法人 |
ビートレーディングはファクタリングの中でも審査通過率の高い業者となっています。審査通過率は98%と高くなっており、多くの利用者が審査を通過してファクタリングできる状態を作り出しています。
注文書でもファクタリングできるようにしている業者の中では大手に該当している業者でもあり、比較的知られているサービスでもあります。最短2時間という短い時間でのファクタリング対応ができるようになっている他、手数料についてもあまり高くないため利用しやすい傾向があります。
個人事業主が利用できるというメリットを持っていることもあり、個人事業主が相談する相手として利用しやすいのもメリットとなります。どうしてもファクタリングしなければならない事情が存在しているときは、ビートレーディングへ依頼してみるのもいいでしょう。
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審査通過率 | 非公開 |
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手数料 | 1.0%~ |
入金速度 | 最短2営業日 |
買取可能額 | 100万円~1億円 |
契約方式 | 2社間ファクタリング・3社間ファクタリング |
対象事業者 | 法人 |
有名企業のGMOが提供しているサービスの1つであり、比較的大きなファクタリングに対応できるようにしているサービスです。買取可能額が最低100万円と高く設定されているものの、最大の買取価格は1億円を超えているなど、利用しやすい要素をいくつか持っていることで安心感があります。
2社間と3社間の両方に対応しているファクタリングを実現しているメリットを持っていますが、手数料については詳細な数字が記載されていない点に注意が必要です。最低の手数料は3社間ファクタリングを利用した場合に適用される可能性が高くなっているため、注文書ファクタリングで多く利用される2社間では手数料が高くなります。
信頼できる企業が提供しているサービスではありますが、振込までにかかる時間が少し長くなっている点に注意が必要です。入金されるまでに相当な時間がかかる可能性もありますので、早めに振込を望んでいる場合は準備を進めるなどの対応が求められます。
トップ・マネジメント
審査通過率 | 非公開 |
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手数料 | 3.5%〜12.5% |
入金速度 | 最短即日 |
買取可能額 | 30万円~3億円※1社1億円 |
契約方式 | 2社間ファクタリング・3社間ファクタリング |
対象事業者 | 個人事業主・法人 |
トップ・マネジメントは手数料が少し高く設定されているものの、ファクタリングによって最短即日での資金調達ができる業者となっています。買取可能額も30万円から設定されていることによって、比較的安い金額でも対応できるようにしていることが大きなメリットとなります。
サービスは2社間と3社間の2つが用意されていることから、注文書ファクタリングを利用しやすい環境がしっかり整っています。個人事業主も利用できるようにしていることから、トップ・マネジメントは個人でも相談しやすい業者であり、以来も出しやすくなっているのです。
審査通過率が非公開となっていることから、どれくらいの確率で審査を通過できるのかは不明となっています。審査通過率に不安を感じている人には利用しづらくなっていますが、少しでも早く資金を得たいと思っている人には相談しやすい業者となります。
BESTPAY
審査通過率 | 非公開 |
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手数料 | 5%~ |
入金速度 | 最短翌日 |
買取可能額 | 100万円~3億円 |
契約方式 | 2社間ファクタリング |
対象事業者 | 個人事業主・法人(個人事業主は注文書不可) |
BESTPAYは2社間ファクタリングに特化している業者であり、3社間ファクタリングを提供していないサービスです。2社間だけに設定していることで、相手に知られないようにしながら資金調達をしていく方法が採用できるようになるのが大きなポイントです。
買取金額も比較的大きくなっていることから、利用しやすい傾向があるのは間違いありません。入金速度についても早い対応をしてくれるケースが多くなっているため、すぐに入金してもらいたいと思っている時に利用しやすい業者でもあります。
対象事業者は個人事業主と法人となりますが、個人事業主については注文書ファクタリングが利用できないようにしていることから、事実上注文書を利用した方法については法人に限られています。個人事業主が利用する場合は、一般的な請求書を利用した方法に限定されます。
日税ファクタリングサービス
審査通過率 | 非公開 |
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手数料 | 0.3%~5.0% |
入金速度 | 最短翌日 |
買取可能額 | 100万円~1億円 |
契約方式 | 2社間ファクタリング |
対象事業者 | 個人事業主・法人 |
日税ファクタリングサービスは対象事業者を個人事業主と法人にしている、広い対応を実現している業者となります。個人事業主でも相談しやすい環境が整備されていることによって、サービスを利用しやすい傾向が強くなっています。
手数料については注文書の期間によって増加するようなサービスとなっており、短時間で発行されているものであれば手数料を抑えられるようになっています。一方で少し長くなっているものは手数料が上乗せされる傾向がありますので、場合によっては高い手数料が適用されます。
買取金額が比較的多くなっていることによって利用しやすいように作られていることが大きなメリットとなっていますし、2社間ファクタリングによって取引先に知られないようにしていることもメリットとなっており、利用しやすい環境が整えられている業者です。
けんせつくん
審査通過率 | 非公開 |
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手数料 | 5.0%~ |
入金速度 | 最短2時間 |
買取可能額 | 買取金額の上限なし |
契約方式 | 2社間ファクタリング |
対象事業者 | 個人事業主・法人 |
けんせつくんは建設業界専門として提供しているファクタリングです。業種を限定している業者は少ないとされていますが、けんせつくんのように建設業界に特化していることによって、アドバイスや対応のスピード感を実現できるようにしています。
提供しているサービスは2社間ファクタリングに限定されていますが、スピード感が他社よりも早くなっています。最短2時間で振込を可能にしていることにより、すぐに資金調達が可能です。オンラインによる契約が可能になっていることも大きなメリットとなっています。
手数料については少し高めに設定されている部分もありますが、2社間ファクタリングの範囲内に収まっている傾向がありますので問題ありません。建設業界で注文書ファクタリングを実現したい時に、相談しやすい業者として覚えておくと安心です。
注文書ファクタリングのメリット
注文書ファクタリングには多数のメリットが存在していますが、中でもメリットとして挙げられるものは以下の内容です。
- 通常のファクタリングよりも早く資金調達できる
- 2社間の契約なら発注元(取引先)にバレない
- 発注元が倒産しても業者への返済義務が発生しない
基本的に注文書ファクタリングは通常のファクタリングに比べて資金調達までのスピードが早くなっていることによって、速やかな資金調達に期待できるようになっています。すぐに資金を手に入れたいと思っている時に対応できるのがいいところです。
他にも取引先に気づかれないメリットを持っています。注文書ファクタリングでも2社間と3社間の2つが用意されているものの、基本的に知られないようにする2社間を利用する傾向が強まっているため、取引先に気づかれないようにしてファクタリングできるようになります。
一部の条件こそありますが、発注元が倒産しても返済義務がない方法もありますので、簡単に利用できる点も含めて注文書ファクタリングを利用しやすい環境はしっかり整えられていると言えます。
ここからは、注文書ファクタリングのメリットを詳しく説明します。
通常のファクタリングよりも早く資金調達できる
注文書ファクタリングは、通常のファクタリングに比べて資金調達が早くできるようになっています。
一般的に注文書が発行されるのは請求書が発行されるよりもかなり前のタイミングとなります。早いタイミングで作られているものをファクタリングで提供することになりますので、請求書を利用したファクタリングに比べて相当早く対応できる可能性があるのです。
資金調達に困っている業者としては、請求書が発行される前に請求書で対応したいと考えている場合もあるでしょう。請求書ではなく注文書でもファクタリングができることのメリットは非常に大きくなっており、資金が足りなくなっている状況からすぐに打開できるようになっています。
入金サイクルの改善により他の仕事に資金を回せる
注文書ファクタリングを利用するメリットとしては、入金サイクルを改善させやすいという部分です。
入金サイクルを改善させていくことによって、他の仕事に資金を回しやすくなっていることはメリットとなるでしょう。他の仕事になかなか資金を回せずに苦労している状況から開放されるようになり、色々な場所に資金を使えるようになっていくのです。
他の仕事に資金を回していけば、仕事による利益を得られるようになっていくため、更に入金サイクルが改善されるようになっていきます。資金を少しでも早く調達したいと思っている時に、注文書ファクタリングは利用しやすい状況を作り出しています。
2社間の契約なら発注元(取引先)にバレない
2社間ファクタリングを利用している場合は、取引先に気づかれないようにしてファクタリングによる資金調達が可能です。
ファクタリングには2社間と3社間の2つが用意されていますが、基本的に2社間ファクタリングが採用される傾向にあります。発注元に知られるような状況が起きると関係悪化の可能性もありますので、少しでもいい状態の関係を保ちたいと考えている時に2社間ファクタリングが利用しやすいのです。
注文書ファクタリングで採用されている方法は2社間が多くなっていますので、発注元に知られるような状況が起こらなくなっています。どのような状況でも相手に知られないようにしていることが非常に安心感を持たせてくれるため、信頼してファクタリングを利用できます。
なお、3社間ファクタリングを利用すると取引先に通知されるようになり、必ず取引先の同意を得なければなりません。手間がかかるという観点からも2社間を利用している業者が多くなっています。
発注元が倒産しても業者への返済義務が発生しない
注文書ファクタリングは、発注元が倒産するような状況が起きたとしても返済義務が発生しません。
基本的に償還請求権が存在していないことにより、利用者に対して業者側に返済するように求められる心配がありません。注文書ファクタリングで対応している業者の場合は、ノンリコースを採用しているケースも多くなっていますので、安心してファクタリングができるようになっています。
発注元が倒産してしまうと利用者が厳しい状況におかれてしまうように思われますが、基本的に返済を求められる状況は起こらないので安心して依頼できます。取引先の動向に関係なく、注文書に記載されている金額の手数料によってファクタリングできるようになっていることが好都合な点です。
契約時に償還請求権なし(ノンリコース)か確認
ファクタリングを利用する際に気をつけたいところは、契約時に償還請求権が存在しているかどうかをチェックすることです。
償還請求権が存在している場合、ファクタリングを行った時に取引先が倒産してしまうと、償還請求権を利用されてしまいお金を返すように要求されてしまいます。一部の業者は償還請求権を適用している可能性がありますので、利用する際は問題がないことを確認しておきましょう。
償還請求権という言葉を利用せず、ノンリコースという言葉を利用している場合もありますので、言葉の違いによって問題が起きていることがないことをしっかり理解しておきましょう。利用する際はノンリコースであることを確認してから契約したほうが無難です。
注文書ファクタリングのデメリット
注文書ファクタリングにはメリットも多数ありますが、デメリットも存在しています。
- 個人事業主が利用できるサービスが少ない
- 3社間で契約すると発注元(取引先)にバレる
個人事業主にとって、注文書ファクタリングは利用しづらくなっています。請求書によるファクタリングは対応してくれるような業者が多くなっているものの、注文書ファクタリングには対応できないとしているところもあるなど、対応が厳しくなってしまうケースも多いのです。
また、手数料を削減するために3社間ファクタリングを利用している人もいますが、3社間を利用すると取引先に気づかれてしまいますので、場合によっては関係悪化の可能性もあります。関係が悪化したことで仕事が得られないような状況が起こってしまうのは危険です。
ここからは、注文書ファクタリングのデメリットを詳しく説明します。
個人事業主が利用できるサービスが少ない
注文書ファクタリングは、個人事業主が利用できるサービスが少なくなっています。
個人事業主に対応しているとしている業者でも、調べてみると注文書ファクタリングには対応していない業者まで存在しています。そもそも注文書では対応できないようにしている業者はいますが、他にも注文書ファクタリングだけは認めていないという事例が存在しています。
法人であれば選択肢はそれなりに多くなっているので安心できる要素があるものの、個人事業主にとってはマイナス要素が多くなっていることから厳しい状況に置かれてしまいます。選択肢が狭くなってしまうことで、手数料の高い業者を利用する可能性も存在していることに気をつけなければなりません。
3社間で契約すると発注元(取引先)にバレる
ファクタリングを2社間ではなく3社間で契約すると、発注元にバレて色々とトラブルになる可能性があります。
3社間ファクタリングは業者と利用者だけで解決するものではなく、必ず発注元が加わるようになっています。発注元に確認作業などを取ることによって、信頼性とファクタリングの安心感を作り出して対応するような方法にしているため、必ず連絡が入ってしまいます。
2社間ファクタリングを利用したい気持ちはわかりますが、手数料の高さがネックとなってしまい、手数料を抑えるために3社間ファクタリングを利用するケースもあります。しかし、3社間ファクタリングで関係性の悪化などが起きてしまうと、将来的に仕事が得られないような状況になるなど問題が起こってしまう場合もあります。
2社間の契約は3社間よりも手数料が高めの設定
2社間ファクタリングは3社間ファクタリングよりも手数料が高くなっている傾向が多く、手数料面では不利になってしまいます。
3社間ファクタリングの場合、発注元に確認作業を取りますので信頼性という観点がプラスされるようになり、手数料を抑えられる効果が期待できます。しかし、2社間ファクタリングは発注元を無視して対応することになるため、どうしても手数料を増やさなければ業者側の損失が重なる問題があります。
2社間ファクタリングは速やかに完了させる方向性も示していることから、どうしても手数料を上乗せさせなければサービスを提供していくのが難しいと判断している業者も多くなっています。手数料を削減したい場合は3社間ファクタリングを検討しなければなりません。
注文書ファクタリングは建築・運送業におすすめ
注文書ファクタリングは建築業や運送業におすすめできるサービスです。
建築業や運送業は、注文書が発行されてから請求書が来るまでに時間がかかるケースも多くなっています。特に建築業は請求書が来るまでに時間がかかってしまい、一般的なファクタリングでは資金調達に多くの時間を要してしまうケースが多くなってしまいます。
しかし、注文書ファクタリングを利用することによって、建築業や運送業でも速やかなファクタリングが可能となり、資金調達もしやすくなっていきます。すぐに資金を手に入れられるようになっていることは大きなメリットでもありますので、経営を維持していくという方向でも安心感を得られます。
どうしても資金面に不安を抱えているようであれば、注文書ファクタリングを実行して早期の資金調達に踏み切っていくのもいいでしょう。請求書を利用しているファクタリングに比べると圧倒的にスピードが違うため、早期の対応により安心感を生み出すことが可能です。
注文書ファクタリングに関するよくある質問
- 個人事業主が利用できる注文書ファクタリングは?
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個人事業主が利用できる注文書ファクタリングは、業者側が個人事業主を認めており、なおかつ注文書でも許可している業者に限られています。
個人事業主へ認めていないサービスではファクタリングができませんし、注文書だけは認められないとしている業者もありますので、利用する際に個人事業主が不利になってしまうケースも多くあります。必ず注文書でも利用できる個人事業主向けファクタリングを確認しておかなければなりません。
業者としてはビートレーディングやトップ・マネジメントのように、速やかに対応する方針を示しており、個人事業主でも利用できるとしている大手の業者を活用していくのがおすすめです。
- 通常のファクタリングと注文書ファクタリングの違いは?
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通常のファクタリングと注文書ファクタリングの違いは、売却する際に必要とされている書類の違いです。
通常のファクタリングは請求書を利用してファクタリングを実施していますが、注文書ファクタリングでは注文書を提供することによってサービスを利用します。注文書の段階でファクタリングを実行していくことによって、速やかに資金調達する方向を作り出していくのです。
また、通常のファクタリングより注文書のファクタリングは手数料が上乗せされるケースもあるなど、手数料の違いも存在しています。ただ、手数料は微々たる数字の違いであり、実際に利用するとあまり変わらないケースも存在しています。